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ここでは難しい学問的考察は行いません。ごく簡単に述べてみます。
まず、「大和絵(やまとえ)」という言葉の由来は中国の「唐絵 (からえ)」(水墨画)に対して、平安時代国風化の波にともない、
日本的な線描彩色画を「やまと絵」と呼ぶようになりました。 「漢詩」が中国の詩で、「和歌」が日本の詩という区別と似たものです。その後もやまと絵は、日本の歴史の中で創意工夫を尽しな
がら、日本人の美意識のなかにしっかりと組み込まれ、アイデンティティとなっています。
さて、やまと絵と聞いて思い浮かべるものは何でしょう。思うがままに述べてみましょう。王朝の雅(みやび)とロマン、十二単、御所車、源氏物語絵巻、枕草子、貴族文化、宮廷絵所、屏風絵、障壁画、俵屋宗達、尾形光琳、琳派、土佐光起、土佐派、蒔絵、文様、
着物、扇、春夏秋冬、雪月花、等々数え上げればきりがありません。 それくらい、日本人の生活に密着したポピュラーな美といって良いでしょう。
初めは貴族社会から生まれたやまと絵ですが、江戸時代以降には武士階級にも用いられ、さらに商人、町人など庶民にもささえられ、
まさに国民的な指示を得た、美のジャンルと言えるでしょう。 |
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坂上 楠生
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